実は中小企業診断士に在学中に合格される方は毎年10人前後しかいません。
追記:近年では若干増えていますが、まだ少ないです。
そもそも大学生の受験生自体が少ないです。
なぜ大学生の受験生が少ないのか、実際就活でアピールできるかどうかについて考えてみました。

目次
データの根拠は?
中小企業診断協会のホームページで、男女別・年齢別・勤務先区分別人数が公開されています。
勤務先区分に「学生」という区分があるので、おそらく大学生が大部分を占めているでしょう。
ただ、院生や高校生なども「学生」に分類されるので、学生の全員が大学生とは考えられません。
1次試験
まず1次試験です。受験者数は400~500人くらいで、合格者は35~50人くらいです。
1次の時点でかなり少ないです。
年 | 学生受験者数 | 学生合格者数 |
2021年 | 759人 | 140人 |
2020年 | 613人 | 108人 |
2019年 | 564人 | 59人 |
2018年 | 479人 | 47人 |
2017年 | 443人 | 35人 |
2016年 | 434人 | 36人 |
2015年 | 400人 | 37人 |
2014年 | 517人 | 52人 |
2013年 | 509人 | 43人 |
ちなみに、宅建の学生の合格者は毎年3000~4000人いますので、いかに中小企業診断士の受験者と合格者が少ないかがわかります。
2次試験
今度は2次試験です。さらに人数が減ります。
年 | 学生受験者数 | 学生合格者数 |
2021年 | 169人 | 36人 |
2020年 | 106人 | 20人 |
2019年 | 74人 | 11人 |
2018年 | 55人 | 10人 |
2017年 | 47人 | 12人 |
2016年 | 50人 | 13人 |
2015年 | 48人 | 9人 |
2014年 | 63人 | 12人 |
2013年 | 74人 | 12人 |
ちなみに、受験者数が1次よりも若干人数が多いのは、中小企業診断士の試験は1度でも1次試験を合格したら、次年度以降2年間免除されるからです。
おそらく昨年2次試験で落ちた方でしょう。
なぜ大学生が少ないの?
大学生に馴染みのない科目が多い
「経済学・経済政策」や「財務・会計」は経済学部の授業でやる内容です。
ですが、他の科目の「企業経営理論」や「運営管理」や「経営法務」や「経営情報システム」や「中小企業経営・中小企業政策」はあまり大学の授業でやる内容ではありません。
社会人が仕事をこなしながら、身につけていく性質が強いです。
中小企業診断士という名前が良くない
大学生は大企業に就職したいです。
中小企業診断士という名前からして、中小企業にしか就職できなさそうです(実際はそんなことないですが)
だから、早慶とか東大京大とか高学歴の層が受験しないのでしょう。
他の資格と比較して難易度が高い
勉強時間を見ればわかりますが、行政書士や宅建と比較したら難易度が高いです。
- 社労士1000時間
- TOEIC860 700時間
- 中小企業診断士1300時間
- 行政書士600時間
- 宅建350時間
- 簿記1級800時間
しかも、行政書士や宅建と比較して、中小企業診断士は独占業務がないので何をするのかよくわからないです。
行政書士や社労士の事務所はよく見かけますが、中小企業診断士の事務所はあまりみかけないですからね。
合格できる人はもっと難易度の高い資格を目指す
学生で中小企業診断士を楽々合格できるような早慶や東大の人は司法試験や会計士などもっと難易度の高い資格を目指します。
東大とか早慶の人はわざわざ知名度が微妙で難易度の高い診断士を目指しません。
まあ、合格者の大学名をちょくちょく見る機会がありますが、日東駒専とかそれよりも下の大学のイメージが強いです。
意外と金が掛かる
資格取得後に意外と金が掛かります。
別に協会に入会することは必須ではありませんが、毎年5万円程掛かります。
協会に入らないと情報が入らないので、ほとんどの方は協会に入っているようです。
また5年間に5回ほど「理論政策更新研修」もしなければなりません。
一回6,000円もします。
年間5万6000円もランニングコスト掛かるので、全く仕事がない人からすれば厳しいです。
一応使わない人の為に休止制度もあります。
就活での効果が未知数
中小企業診断士の資格自体知名度がありません。
もしかしたら、人事も資格自体知らないかもしれません。
そもそも大学生の合格者が毎年10人前後しかいないので、就活に強いかどうかも未知数です。
中小企業診断士は就活でアピールできる?
ぶっちゃけたこと言いますが、就活でアピールできるかどうかはわかりません。
そもそも学生の合格者がほとんどいないので、在学中に合格したお蔭で「就活を無双できた」など話を1度も聞いたことないからです。
他のサイトでは「就活に有利です」とか書いてありますが、空想話でしかありません。
追記:在学中に取得されて人事に評価された事例がありました。
ただ大学名とかも特にわからないので、難易度に対するリターンが十分あるのかはわからないです。
こちらの記事では就活での効果は未知数とされています。
でも学生で合格して就活をした僕なら言えます。就活ではかなり評価されるので、決して時間とお金が無駄になることはありません❗https://t.co/wq5eKlnVAq
— 新社会人診断士 (@gakusei_shindan) September 21, 2020
よく診断士は就活に強いですか?と聞かれますが、ES30社くらい出して通過できなかったのは5社なのでそれなりに強いと思います。(サークル無所属、バイトも普通の塾講師)
まあWEBテストでいっぱい落ちましたけどね笑
WEBテスト対策は怠らずに!!— 新社会人診断士 (@gakusei_shindan) January 20, 2021
就活で中小企業診断士合格者が強い理由は「面接官の上司が取得目指して勉強中」という状況がまあまああるから。
特に金融機関では出世に繋がる資格であることも多いらしくてこの状況が発生しやすい。(あくまで個人の感想です。)
— 新社会人診断士 (@gakusei_shindan) December 5, 2020
就活中、履歴書の資格欄を見て「中小企業診断士は1次合格?」と何回も聞かれた。その聞き方と表情から1次合格でも十分評価されることを感じた。
ちなみに「2次まで合格しています。」と答えると目を見開いて驚かれるのでインパクトは抜群です笑
— 新社会人診断士 (@gakusei_shindan) September 16, 2020
新卒の就活市場に出回る中小企業診断士合格者は毎年10人前後。合格者はほとんどの企業にとってその年唯一出会う人材になれる。実際に「2次まで合格してる人は初めて見た」と何度も言われた。
自分の希少価値を思いっきり高めることができる中小企業診断士は就活を控える大学生にもオススメ。
— 新社会人診断士 (@gakusei_shindan) September 17, 2020
ただ在学中の合格者が毎年10人程度しかいないので、中小企業診断士を在学中に合格することがレアであることは間違いないです。
就活の面接の時にアピールは確実にできます。
ただどう思うかは人事次第でしょう。
人事によっては「将来独立して会社辞められるかも」って悪い印象を抱く可能性さえあります。
ただ周りの就活生はアルバイトだのサークルだの留学など、みんな同じようなアピールをしている中で、差を付けることは可能でしょう。
まあ個人的には、頑張って在学中に中小企業診断士を取得したのに、何も評価しないような企業はこちらから願い下げしてもいいと思います。
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